イベントレポートEvent report

一日で弾ける楽器講座! マシュマロック!!! mon-stella × 尚絅ピア

レポート研修・講座

楽器講座 マシュマロックについて

クリスマス気分の高まる2015年12月23日(水)の夕暮れ時に、体格に比して大きく見えるギターケースを担いだ後ろ姿が、太白区中央市民センター地下2階スタジオに吸い込まれて行きました。他にも、同世代と思われる女学生を含めた計5名が次々と入室していきます。彼らこそが今日の主役「1日で弾ける!楽器講座 マシュマロック!!!」の生徒たちです。 この講座は、小学生から大学生までを対象に、楽器演奏に触れる機会や、若者同士が繋がりを持てる環境を提供し、そこで得られる達成感を、自尊心へと昇華させることを目的として活動する学生バンドの「mon-stella」と、尚絅学院大学のサークル「尚絅ピア」の協働事業の一環として実施されています。詳しくは下記のリンクをご覧下さい。

『マシュマロック!!!』のサイトへ

セッティング開始

再び生徒たちに目を戻しますと、大学生1名と高校生4名の皆さんが、それぞれ、ギターに男性2名と女性1名、ベースに男性1名、ドラムに女性1名と分かれていきます。特に、ギターとベースの男性2名は常連さんとのことで、機材のセッティングを進める「mon-stella」メンバーと一緒に慣れた手つきで準備をしていました。

開催の挨拶

サウンドチェックが終わったところで、「mon-stella」の白鳥さんより開催の挨拶となりました。それに続いて、生徒たちも自己紹介を行います。その後、練習曲の解説や注意点の説明を経てから、その一曲を通して聴音しました。

練習開始

いよいよ、ギター、ベース、ドラムと3ヶ所に分かれて練習開始です。
ギター3名は「mon-stella」のギタリスト「スガさん」が担当し、ベースとドラムは白鳥さんが先生を務めます。
最初は少し緊張気味だった生徒たちも、練習が進むと表情が和らぎ、スタジオ内は程よくリラックスした空気となりました。

 

p002

「何度か手を止めて練習曲を聞き込み、再び楽器に向かっては練習」を繰り返す真剣な表情の生徒たち。
30分ほど過ぎると、ぎこちなかった単音が「フレーズ」へと変わりました。

透かさず、白鳥さんから「いったん合わせてみましょう」と声が掛かります。
ドラムの拍子に合わせて、ギターとベースが加わり、音合わせの始まりです。
何回かトライ&エラーを重ねた末、なんとか自分のパートを完遂させた生徒たちは、一様に嬉しそうな笑顔を浮かべます。

上手に弾くポイント

p003

短い休憩を挟んで、白鳥さんとスガさんから「上手に弾くポイント」の教示を受けると、再び白熱の練習タイムです。
楽器に慣れることが第一目標だった前半とは異なり、それぞれのレベルに応じた練習となりました。

 

p004

一緒に演奏

集中するあまり、スタジオ内に篭っていた熱気さえも忘れていた20時40分頃に、「最後に皆で合わせてみましょう!」と白鳥さんの声。
先生と生徒が一体となって演奏すると、「フレーズ」が重なりあって、厚みのある「サウンド」へと変貌。
「やった!」と表情を明るくする生徒たちと、「上手いね!」と頷き返す白鳥さんとスガさんの笑顔に胸が熱くなります。

演奏を通じて「一体感」を味わった7名の若者たちは、20時50分の講座終了後も、まだまだ話が尽きない様子でした。

 

p005

講座を終えて

さて、今回の講座では、「mon-stella」の先生お二人が、生徒たちのペースに合わせて声がけするためか、上達速度が異常に早かったことが印象的でした。相手に合わせて対応するピアカウンセリングの本領発揮を目の当たりにした思いです。

もし、このテクニックが年齢や音楽のジャンルを越えて適用できるのだとしたら、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」に向けた取り組みとしても有効ではないかと考えさせられました。

ところで、このような音楽の練習は、海外なら「ガレージ」となるのでしょうが、日本の住宅事情では「思い切り練習できる場所」自体が少なく、また費用もかかることから、諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。

「楽都仙台」として屋外フェスも増えてきた昨今に因むなら、産官学民一体の「場所の提供」という支援があっても面白いかと思います。

折しも、せんだいメディアテークにて「せんだいリノベーションまちづくり」が開かれ、未来の都市計画が語られる時分でもあります。
好きなだけ楽器を練習できる防音改装された空きテナントがあっても面白いかも知れません。
あるいは、こういった取り組みこそが、仙台発のミュージックシーンを勃興させ、延いては、日本のバンドが世界を席巻するなどという夢を想い描くことも「まちづくり」には欠かせないのではないかとも考えます。

果たして、産官学民の取り組みになるか、NPO単体となるか、模索してみる価値はありそうです。

文責:大町事務局 高荷